されど、死ぬのはいつも他人/藤原 実
」と僕はすばらしい思いつきに興奮しました。でもすぐに僕
の顔は青ざめていきました。
そのころ街中の電話ボックスの前には、名前のこぼれおちた電話帳を持っ
た人たちが、ぼうぜんと立ちつくしていました。
ひとりの男がボックスごと、電話帳を燃やしてしまいました。それを合図
に世界中の電話ボックスが燃え上がりました。べつの男は番号案内に電話
しましたが、「その番号の持ち主は現在行方不明です」と冷たくあしらわ
れ、怒って電話局を燃やしてしまいました。それを合図に世界中の電話局
が燃え
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