されど、死ぬのはいつも他人/藤原 実
 
がげらげら笑ひこけている


処女詩集を『三半規管喪失』と名づけた北川冬彦は『私の詩作を習作から一応離
れさせたのは関東大震災が私に与えたショック(衝撃)である』としながらも、
同時に『震災で大ショックを受けながらも、私は震災風景の詩は一つも書いてい
ない。この詩(『共同便所』)にも、震災が与えたダダ的な雰囲気は見られるが、
震災の情景は少しも出ていない。』とも書き残している。ぼくは思う。北川もき
っと「違う」と感じたのだろう、と。


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