無題(2014.2)/
新嶋樹
胸の奥に花を浮かべた人たちの
お行儀のよい笑顔を覗く
消えてゆくのか指 一本ずつ
肌を塗るもう一度塗る
審判を隠すパウダーの色
どこにいてどこにもおらず
冬空に雲 覆い尽くして
一枚ずつ
一枚ずつ沈んでいく人間の花の
美しい色が かなしい
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