最低な翼/
千波 一也
約束、という言葉は
なにも運ばない
それを知りながら僕は
風になろうと
している
この手に負える
ちいさな結末だけを
連れて
都合のいい語りを
選ぼうとしている
ごめんね、涙たち
もう
昇ってお行き
最低な翼を
見限って
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