椀のなかの尻/手乗川文鳥
 
後ろから浸り、百日紅に槍、吾の坊の棒もしなり、左、見遣り依頼、落雷の方に猿とモヒカンが卑猥に絡まりY・Y・Yの字、袋小路に去り、然りとて頭髪を剥ぎ、貼り、裸足から抜いてもぎもがき、解ぎ、炎の仄かの放り解ぎ、紛れもあり塗れ、揉まれ鹿尻、つるてとした尻々。その尻皮を剥ぎ、皮を浸した真水が真緑。紛れもなく真緑。迸り網走、筋の張った尻が走り今治、非理と非理が虚空を有して吾の嬢の黒髪真緑に。
黒い数列の群、やがて灰たる蕗の薹に紫の唇が重なる。つかまれ、しずかな夜の端に。とまれ、ざわめく暗い眼。
吐く息、吸う息、緻密に詰め込まれた瓶詰めの雪が、くるしんで降る、くるしんで降る、くるしんでしんで降る雪に麻痺す
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