蟹と人/ただのみきや
ーブルの若いカップル
時の小舟は軽やかに未来へ向かって白波を切る
――なのに行く先を見ようともしないで
互いに見つめあったまま
「このまま時間が止まればいい」なんて想っている
だけどそのうち目が覚めて
先に待ち受けている現実を正面から見つめると
右往 左往
なんとか先延ばしにしようと
アワを食うは隠れるは
蟹よりみそは多いけど
蟹ほど上手くはいかないようで
とりあえず自己保存のための
「前進」 というところか
《蟹と人:2014年1月22日》
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