さようならの一つくらい言えるようにはなっていたい/煙と工場
 
うさぎは
「じぶんが
あいされていない」と
かんがえたので
みずうみに
みを
ひたしました

つぎのひ
ぽっかりとうかんだ
うさぎのからだをみた
どうぶつたちは
このようにしゃべって
いました

「わたしはうさぎをあいしていた」
「ぼくもうさぎをあいしていた」
「わしも」
「あたいも」

さて
そのおしゃべりを
ひととおりおえると
どうぶつたちは
まんぞくそうに
ふだんのせいかつに
もどりました

あいかわらず
うさぎのからだは
みずうみに
ぽっかりと
ういたままです
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