空の高さは君がためにある/モンロウ
 
やまいだれに閉じられたる春 歌うことを忘れ
清らかさは鏡張りで 叫べども残響を繰り返し続ける
蝕むは己か 己こそが蝕みかと
慟哭の隙間 ふと見上げれば(ああ)桜の空だ

(薄情の罪業に裁きは無くただ先はただ長く
 いずれ白くなるだろう足のうらに清流は優しく だが
 忘却の縄縛など笑い顔の反吐だろう 
 何もかもが何もかもが そうさ 桜の空さ)

ああ 茫漠の肉体に残されたぬくもりよ
カナリヤの後を追う蝶々の群れが
孤独に割り引かれたちっぽけなメロディをなぞっていく
何もかもが何もかもが何もかもが何もかもが
 
桜の空

桜の空

春は穿たれた 

歌は放たれた

二度とはない

すぐさま行け

雲のふちをなぞれ!

何もかもが
何もかもが
ああ
桜の空だ!



((空の高さは 君がためにある))
戻る   Point(0)