星を見上げて/aida
 
星が光っている
遠い時間と距離を走り
今日のこの場所の
この瞬間の
私に届いて
またその先の
いったいどこまで
行くのだろう

私は一日の仕事や
とりとめのない煩いで
頭の中を言葉でいっぱいにしながら
地上に立って空を見ている
そこに答えが
あるわけでもないのに

その暇にも星の光は
おかまいなしに
私を通り過ぎ
また何光年もの先へと
ひたすらな直進を続け
何処かの岩を照らし
いつかはまた命に
出会うかもしれない

解決という安息地帯に
言葉で辿り着こうと
急いでいる私は
結局ぐるぐると
どこにも行けず
ただひたすらなまっすぐなものが
遠い先への到達を刻む
その永さを星はどれだけ耐えているのだろう
光はどれほど孤独だろう

それを想う私も寂しい
孤独を飛び続ける光を追い
親しく私は星を見ている







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