おじさんの心で/
番田
誰もいない夜
あるべき言葉を失った
そこで誰もが手にした
物事への自分の疲れと
その ぼやけた 思い
忘れた自分だけが
うまくいけばいいのにと思っている
何かを思うのは忘れるからやめたい
というのは 何も 忘れられないからだ
いつも覚えているのは僕だけだった
朝のエスカレーターを駆け下りず
締まりかけたドアに入る夜は
白い 朝の風景の 夜
目を流れる黒
白の中にある記憶と共に
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