近所のネコに贈った詩/番田
誰と会うことのなかった日
知らない間に眠りに落ちた僕は
音楽を聴いていた 僕は そうだった
よだれを 一滴 枕に垂れ流していた
きっと誰もが唇の中から落としている
同じ道を歩いている 誰もがそうしているのだと思っている
そんな気がする 同じ顔した僕がいた
昨日とは違うルートの帰り道を歩いていた
何もない今日の世界を
この先 必死で歩いても 何も良いことは訪れないだろう
下り坂を思うと通り過ぎる出会いと
上り坂が続いていると気づくサイン
そんな人生を どこに行くのだろうと 思うが
誰のポイントもつかない詩を 僕が
携えながら誰かの見ている薄笑いを浮かべている
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