扉を開ける/
佐藤伊織
奥行きがあるとはなんだろう
そこには私の視点ある
見えない眼球を通して
目が覚めたら3億年が過ぎていた
生まれたことを思い出せば
何が時間であるのかはわからない
向こう側に扉がある
あの暗がりの先に扉がある
扉の先に無数に開かれる事を待つ扉がある
目が覚めたら
あの扉を開けよう
3億枚の扉の先に
私の眼球がある
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