OMMADAWN/
 
りするが、私は決してドアを開けない。かつて私が彼女の部屋を叩き続けた時も、彼女は絶対にドアを開けてはくれなかった。それは正しい判断だったのだと今の私には理解できる。理解できるが、私は彼女を許すことができない。もしも許せたら、どんなに良いだろうか。だが、私にはどうしても手が届かない。それは私と神様との距離よりも遠い。

(視界の隅を鳥が横切っていく)

雨は今日も降り続ける。愛もなく色彩もなく音楽もないこの世界に。この部屋に。中にいる明日を持たない子どもに。私はたまに考えることがある。私のような囚人が世界中には無数にいるのではないかと。いや、この世界には互いの存在を認識することもできない囚人
[次のページ]
戻る   Point(4)