夜と朝/aida
 
星の夜には
投網を打って
散らばった小さな傷を
呼び戻そう

触れ合えば侵しあう
優しい温もりも
潮のように沁みて
刻んだり
刻まれたりしながら
私たちは生きてる

甘く心を鈍らせる
眠り色の貝殻の中
疲れることを厭い
波に身を任せてる
でも星の夜には
甲殻の中身を晒し
柔らかい襞を伸ばす
いたいけな落下
むこうみずな遊泳
薄く刃物で削ぐように
私を剥いてほしい

重ねあえば溶けだす
絵の具のような
世界と私
何色になるの
どんな絵になるの
ほどけ合い
壊れながら
一つに生まれる

見えるのは
真珠のような朝
まろやかに
そっと口に含もう
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