冬の部屋/
遙洋
ローズ、
薔薇、
と書きつけたそばから
うしなわれるものがある、と
その花のたたずまいに心うたれたり
していた
わたしがわたしの内側で
名まえをもたないことを
わかり合えるのは
わたしの名を呼ぶ
だれでもない
この空気いがいの何でもない
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