レム≠ロム/ホロウ・シカエルボク
くたくたに疲れているのに、眠りはなかなか君の部屋を訪れてはくれない。一日中凍え、平坦なオシログラフのようなイデオロギーのなかで木偶人形ごっこをし続けて、おまけにいま窓の外では辛気臭い雨が錆びたトタン壁で忌々しい音を立てている…眠りが約束されたことがここ最近あっただろうか?軽薄な口約束程度のものならあった気がする、君はそんなものあてにしていなかった、世界が君をあてにしていないのと同じように。
音を消したテレビの中でアドルフ・ヒトラーがアジテーションしている。「真実の定義は時代によりけりだ」と君は衝動的にアテレコしてみる。そして、なんてくだらないことを口走ってしまったのだろうと激しく後悔す
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