HAYABUSA/ハァモニィベル
 
レゼントしよう、サプライズで・・」
 すぐに、
  道路は大きく下り始める。
  見通しの利かない道が加速する。
  小さな隼を背に、
  一台の白い軽自動車が、悠々と宿命を走り続ける。
  ぐんぐんと、
  滑るように落ちながらも
  目的地を夢見て
  対向車線をハミ出した大型トラックの酔ったクラクションを聞きながらも
  誰かを乗せた救急車のサイレンに道を譲って
  脇でICが搭載されたボールで遊んでいる子どもたちを微笑みながら
  無理矢理連れだされ散歩させられている老犬を憐れみながら
  冷たい光と強い風の中を
  一台の白い軽自動車が、悠々と、当然のように宿命を走り続ける。
  小さな隼を背に。
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