マリア/藤原絵理子
 

怨みごとを言ってもいいよ
オトナぶった顔をして
すべて押しこめるのがオトナじゃない
そんなことで
瞳のかがやきを失くしたら
きみがきみである意味がない

夜が明けて
鳥がさえずり始めたら
梢をわたる風の詩が
また きみをいざなうだろう
こころがゆらゆら揺れ始めたら
洗いたてのザックと上着で
また 旅に出ればいいよ
あたしは白いドアをあけて
いつものように
見送ってあげるから

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