マリア/
藤原絵理子
怨みごとを言ってもいいよ
オトナぶった顔をして
すべて押しこめるのがオトナじゃない
そんなことで
瞳のかがやきを失くしたら
きみがきみである意味がない
夜が明けて
鳥がさえずり始めたら
梢をわたる風の詩が
また きみをいざなうだろう
こころがゆらゆら揺れ始めたら
洗いたてのザックと上着で
また 旅に出ればいいよ
あたしは白いドアをあけて
いつものように
見送ってあげるから
戻る
編
削
Point
(3)