陽炎/
 
二人抱き寄せた恋は
散ることも知らずに凛々しく咲いていた
この世に永遠なんてない
そんなことは知っている
それでもこの恋だけは永遠だと信じたくて
そう思うことで得られる幸せに酔いしれ
いつしか酔わずには愛を感じられなくなっていた

“本当の愛って何?”

何度問うても答は見つからなくて
不安で陽炎も見えない

二人が手放した恋は
思い出となり心の中で枯れていく
もしもこの世に永遠があるのなら
あるとしてもこの恋は終わってしまうのか

描き続けた理想は憎しみとなり
歪んだ思いは誰を傷つける
永遠を望まれない恋だから
思ったところで仕方がないの
そんなの悲しくて でもそれが現実で
受け止められずにいるのは一人だけ

“愛してる”

星の亡い夜空を見上げ
ため息つければ涙がホロリ
陽炎は真実を歪ませ いつも優しく揺れている
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