春の源になれ。/時子
 
になって叫んでんの。


何かと思ってたら石川がさ、
教室の後ろでピラピラしてた紙のうち、
タッキーの名字と私の名前が書かれた紙をくっつけて遊んでたんだよね。
石川の手の中で1つになった、

「滝沢」と「瞳」

タッキーが女の子になっちゃったような、
私がタッキーと結婚しちゃったような、
憧れの男子と両想いになっちゃったような、
不思議な感覚だったのを覚えている。


紙を取り返したタッキーは石川をポカポカ殴った。
そして、なんにも言えない私を見て、怒ったみたいに言った。



「そんな冷たい目でオレのこと見るンじゃねーよ」



*



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