闘いと呼ぼう/千波 一也
 


懐かしい、温かな風は
もういない


はしゃいでも、ひとり
つくろっても、ひとり

つぶやくほどに、
黙り込むほどに。


嘆いたら、塞いだら
すくわれる、かな

我が身かわいい、と
まもりに徹すれば
すくわれるかな


だけど、
もしも、
きっと、

水をはらんだ
言葉のかたすみに
わたしを立たせる日々が
みえる限りは
まだ、やめよう

せめて
わたしだけは
呼んでいよう

ひとりぼっちでも、
これはわたしの
闘いと。






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