ぼくがそれをやりたいわけは/ホロウ・シカエルボク
 
を取ってくれていた、それがなければ気が狂いそうだった、ぼくは何を探していたんだろう、初めて自分の人生が鉛となって伸し掛かった、「出来るだけ早く」とぼくは言った、出来るだけ早く、「出来るだけ早く、この街に越してこよう、あの家を直して、住めるようにしよう、子供たちもみんな連れて、この墓にもう一度来よう」いいわよ、とにこにこしながらかみさんは言った、「わたしにはふるさとなんてないから」


それから二年が経って、ぼくは父さんが座っていたソファーに腰掛けて、ある日曜の午後の窓を眺めていた、確かな思いがあるわけじゃなかった、行きたい場所などとくべつなかった


ぼくがそれをやりたいわけは




ぼくがそれをやりたいわけは


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