<刑場通り>にて/春日線香
 
刑場通りの夜は暗い
かまどうまになったわたしたちは列をなし
水を求めてこの通りを進んでいった
途中 家々の窓はかたく閉ざされ
明かりもつけずにこちらを探る気配が窺える
あの人たちも結局は同じ姿になるのだ
わたしたちは互いに語る術を持たず
ぽきぽきと脚を鳴らしながら進んでいく
通りはまるで針金を敷き詰めたようになり
力尽きたものは側溝に押しやられる
ようやく川に辿り着いたとしても
水面に触れた端から灰に変わり
悪い夢として朝の光に溶け消えてしまう
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