産まれた理由は還るべきところへ向かう/ホロウ・シカエルボク
優しい乖離を抱きしめている空白の午前、見開いた眼の充血はすでに失われたかけがえのないものに照準を合わせ、ショート気味の脳細胞が認識するものは片手で足りる理由だけだった、窓の外には希望を騙る太陽の光、まんまと騙されて今を生きる民衆の安易な昂ぶり、直感と行動の間の配線が狂っているので朝からずっと手の甲を噛んでいた、慣れれば慣れるほど犬歯が食い込んで血まみれだ、俺から零れたものが俺に還る、血の味はいつでも饒舌だ、そこにあるものだけを語るのが真実だろ、余計な感想なんかいちいちくっつけてんじゃない、変えられないものに躍起になってなにをはぐらかそうとしているんだい、お前に出来るのはコラージュが
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