セブンスターのボックス/こいち
行きなれたスーパーに買い物
行きなれた道
歩きなれた10分間
頭に帽子深々被って
首にマフラーぐるぐる巻いて
耳にイヤホン突っ込んで
丸まって下を向いて歩くの
行きなれたスーパーだから
何が何処に有るかよく知ってる
決まったレールを進むみたいに
無駄無く目的の場所に
インスタントコーヒーを一つかごに入れてタバコが売ってるレジに並んだ
僕の番がやってきてタバコの棚に目を向けた
『セブンスターですよね』
『ソフト?ボックス?』
『あ...ボックス』
帰り道
手を振って歩いた
鼻歌を歌った
雲の隙間に星が一つ見えた
ただそれだけ
ただそれだけのこと
『ソフト?ボックス?』
セブンスターのボックスです
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