地の星/壮佑
 
に違いない

敷石を踏む
ぼくの靴の下で
眠っている
地の星たちよ
さあ 静かに
眼を覚ませ
そしてこの街を飾れ
クリスマスの樅の木の
イルミネーションのように

遠くで誰かが歌っている
この街ではみんな
赤い靴を履きなさい
歩道から建物へ
建物から階段へ
階段から橋へ
きみのもとへ
遠ざかる靴
近づく靴
昇る靴
降りる靴
斜めに横切る靴
踵を返す靴
目覚めてゆく地の星

そんな映像が
夢の中の
あなたの横顔とともに
一瞬のあいだ閃く

濃紺の天空から
ひそやかな笑みを漏らしながら
決して聴こえることのない音たちが
雪になって舞い降りてくる

彼らと一緒に
街を飾る地の星たちが
螺旋を描いて踊り出さないよう
管理すること
それがぼくの仕事だ








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