地の星/壮佑
 

影は次々と
落ちてきて
重なって
離れて
あおい時間も
ふじいろの空間も
あなたの指で
押し広げられて
そんなふうにして
世界はできあがり
あなたが残した
古い写真の
風景のように
どこか遠いところで
うすく結像する

地平線の向こうに
昇ってゆく
痩せた月まで
湾曲しながら続く
舗道を一歩
また一歩 と
踏みしめながら
吐く息は
塩のように白い

ぼくの声は
どこまで届くのだろう
ぼくの声は
すぐに消えるのだろう
そして遠い未来に
知らない惑星の上で
息を吹き返し
真空の中を
空想画の岩山に
ぶつかっては
墜ちて行くに違
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