骨を抱く/ホロウ・シカエルボク
 

午前零時の開幕のベルは
眠りについた歌声を呼び起こした
まっさらで直撃なエコー
それは肉体が要らなくなったせい


5ピースのバンドと
クラッカーのビートに乗りながら
それが子供だったり
大人になり始めたころだったりを
思い出しながら


ハモニカの残響が向かう先は
人気のない通りの先
高い方のドの音を最後に
外灯の明かりだけになって


独りぼっちでいたんだ
独りぼっちでいたんだよ
夜の街の明るさは
心の片隅を照らすのさ
閉ざされた地下室にもぐりこんで
マグライトで照らすように
忘れるくらいに追いやられた
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