【レビュー】雲雀料理11号の感想 4/4/mizu K
傾いで大きな建物のシルエットが浮かんでいる。尖塔らしき影。イスラムのモスクかビザンティン様式のドームに似たもの。それが全体的に傾いている。それは今日明日中にバッタリと倒れそうに傾斜しているのではなく、なにか海原で大きな波に揺られて傾いている巨大な船のようにも見える。あるいは見ている私が海におぼれかけていて、うねる波にもまれながら水面からようやく遠くの陸地に垣間見た、ある宮殿のシルエットのようにも想像できるのだ(残照を背景にして。あるいはその宮殿の物見に人影を認めることはできるだろうか?)。
それから絵の右側にある大きな針葉樹に目がいく。そこでもざわざわと風が吹き荒れ、木の頂きから半円を描くよ
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