夢だもの/千波 一也
変幻自在なあやしさを
とにかく、すぐにも
体得したいね
敵があるのが仕方ないなら
そうしてかわしたいものだね
矢継ぎ早に寄せる白目には
理路整然と語るしかないね
日が暮れたって
夜が明けたって
黒目になるまで付き合う覚悟を
持ちたいね
何事も
それなり、の知性でいいはずだね
それなり、の定義は難しいけれど
適切な痛みが伴うならば
おおむね良好な
定義だね
恥ずかしくてもいいじゃない
消え入りそうでもいいじゃない
あなたが指さしかねている
その幻を
あなただけは
確かに愛してやまないのでしょ
べらべら漏
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