かなしいほどに/石田とわ
 



  チョキチョキと切り抜いたのは嘘泣きです天使の羽と切れないハサミ

   
  足の裏さみしい沼を飼っている思い出喰らい泣いては縮む


  夜が降るきのうも降った今夜もね、かなしいほどにやさしいひつじ


  こんこんと溢れる水に溺れかけビートバン抱き蛇口をさがす


  この星がいまもほんとに青いのか海をしらない青虫に聞く





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