love/リヅ
ある日 ふと手首を切る女の子を思いついた
切った手首から溢れる血で白い壁に絵を描く女の子
その娘に対してのなんの肯定も否定も投げかけずに
ただ無言でその姿を使い捨てカメラで撮影する男の子
僕は呆けていた 授業中に
起承転結の最後の二つが思い浮かばなかったから
その二人には結末も無くずっとそうしていてほしいと思った
女の子は身を削りながら絵を描いて
男の子はそんな女の子を見つめ続けている
たまにフィルムに収めたりして
僕は一人で孤独だった 授業中
愛されたいなぁと女の子は思っていて
愛されたいなぁと男の子も思っていて
できればお互いがお互いに
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