異教徒の無数の傷口には自らを断罪する理由が記されている/ホロウ・シカエルボク
左へと内耳を駆け抜ける人間的なハムノイズ飲み込んで観念的な故障が全身に浸透する、両の目に見える錯覚的な光の瞬きは必要最小限のレベルにまで削ぎ落とされた信号と化した生命のようで例の甲虫のイマジネーションはこれだったのだと気付いたとき不自然に濡れている指先に気付き、眺めてみればそれは記憶に堆積し続けた血液の具現化とでも呼ぶべき液体の集合であり思わず漏らした悲鳴には無意識下の怖れが滲んでいた、果てしないのに期限があることへの怖れとでも表現すれば納得出来るのだろうかと自問してはみるもののどこか的確さを欠いた気がして落ち着きを失効する真夜中だ、踏み外せば落ちる小さな足場の上で不細工な舞踏を披露するクラウンの
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