異教徒の無数の傷口には自らを断罪する理由が記されている/ホロウ・シカエルボク
 






右から左へと内耳を駆け抜ける人間的なハムノイズ脳下垂体の隙間に詰め込んで昇天の妄想、暗証コード知らされぬままの包装紙の中の暗闇で息を詰めている瞬間的に選択されなかった反応の悪い概念たち、潜在的な衝動が共食いを始める血と体液の序曲が腹腔を盛大に振動させる温度の狂った季節の深夜に、指先は団栗ほどの小さな甲虫の屍骸に触れるような罪悪感と寒気を弄り続けて便宜上の壊死を体感する、悲鳴にばかり神経をすり寄せてしまう粗悪な鼓膜たちが本当に欲求する振動はいったいなんなのか、遡れるだけ遡った記憶の中にもそれを解き明かすような出来事は眠ってはいなかった、まがいものの静寂が存在を滑稽なものに思わ
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