くるしみとひかり/はなおうぎ
 
金魚鉢のような出口のない命の

なかで

溺れている

わたしがぱくぱくと欲しているのは

きみのことばなのだけれど

「何が欲しい?」

と問われれば

わからないというしかない

浴びて、言葉の洪水、浴びたい、浴びて、浴びたいよ


  きみの目はなんてかなしくて
  なんて言葉より多くをものがたる



パッション!


閉じた
金魚鉢の生命が黒い布で覆われた
きみの瞳が物語った残像はひかりなのかもしれない
夜が来た
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