無題/梓ゆい
 
武蔵関の片隅で

鳥に姿を変えた白紙が舞う・・・・。

ただそれは、意思を持つように

声と言葉を持ち始めた・・・・。

一枚の白紙は

互いに交差をし

決して妥協も無く

交わることでさえも拒みながら

歴史という名の舞台で

消えることの無い証を残すのだろう・・・・。

例え

名前を残すことなく死んでも

残る物があれば良いと感じ取る最中

薄らいだ境界線の中には

ただ、何かを残し

命をそぎ落とす誰かの姿も見えるのだろう・・・・。

武蔵関の一角から

東京・日本・世界へと広がる一枚の白紙

鉛筆という名の父

レタスペイントと言う名の母

アニメーションと名づけられた子供達・・・・。

「名前を知られることも無く、一つの歴史は作られた・・・・。」



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