【レビュー】雲雀料理11号の感想 2/4/mizu K
 
ことを明らかにするものではないと思う。では誰と会話していたか。

結局プラトンは、路上において(この「路上」も哲学的な意味合いを有しているのかもしれない)、自分の描くものと交感によって会話していたのだろう。彼に描かれる星座の人々、動物たち、竪琴、神々と。その指でもって。骨でもって。

その「会話」のなかにいるのが〈わたしたち〉である。〈会話の中に、/登場〉する〈わたしたち〉とは誰なのか。それは、たとえば学者の思索のなかで火花のように発露する叡智そのものであり、路上に描かれ翌日には消えているであろうものに宿っているものである。そして昼には消え夜には出現するあの夜空の星星のどこかにも「わたしたち」は存在するのだろう。




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