最後のフェアウェル/keigo
 
ひとつの命が
青空に迎えられるように
煙になり
天に昇ってゆく

凍れる冬の空気を貫く
鋭い日差しをみつめると
目の玉が痛むけど
今は泣きたくないから
じっと見つめていたい
そう思う


おばあちゃん
あなたは
もう本当に
ここにいないのですね

ずっと会ってなかったから
あなたの声も
あなたの優しく寛大な眼差しも
忘れかけてたけど

いまこうやって
思い出たちが
脈絡もなく
胸に去来するのは
皮肉なのでしょうか
それともあなたがそうさせているのでしょうか

抱きしめてくれた温もりは
間違いなく僕の中にあり
巡り
巡り
僕を生かしてくれていますよ
あなたの愛情が
自分を信じる勇気になって
僕の中で
巡り続けるのです

さて
お別れに
僕は胸の中で
合掌するかわりに
精一杯に手を振ります

あなたがお別れの時
いつもそうしてくれたように
見えなくなるまで
いつまでもそうしてくれたように

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