冤罪/
藤原絵理子
今朝もぎゅうぎゅう
詰め込まれた通勤電車
トンネルを抜けると爽やかな朝日
お尻のあたりに妙な違和感
さわさわさわさわ
動けない…
首をねじったらつったけど
目の端に黒縁めがねの男
おんどりゃあ 何さらしてけつかんねん
ドタマ かち割ったろかぁ
うちを 誰やと思うとるんじゃい
思わず口をついて出た大音声
黒縁めがねは風船みたいに縮んだ
あたしは地下足袋で踏み潰した
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