【レビュー】雲雀料理11号の感想 1/4/mizu K
クグマが見えてこないだろうか。時が過ぎればそこには白い骨と白い毛。さらに時が過ぎれば春のぬくみにふわふわとただよっていく(かもしれない)綿毛。そこにこめられたかすかな願望。〈きみのために〉、静寂と轟音を並列に存在させ、通常なら成立しないはずのところのぎりぎりにおいて形づくられている歌。
そしてやっぱりこの作品には、ラヴソング的な響きがするように感じられるように思う。〈きみ〉が特定の誰かをさすとは限らないし、一般的な「ラヴソング」というのとは、またちょっとちがう気がするのだけれど。
*1, *2:芥川也寸志『音楽の基礎』岩波新書
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