むじな/春日線香
 
それについては因縁がある
なにせ前世の仇だから

うららかな冬の日
わたしはそいつを探して山にきた
皮をなめして枕にしてやろうと思ったのだ
鉄砲をかかえ 神社の脇を通った時
昼寝しているそいつを見つけた
こんなに簡単にいくものなのかと
うまうまと鉄砲を突きつけ ずどん!と一発
するとどうしたことだろう
昼寝していたのは自分で 撃ったのはそいつ
撃たれたわたしは胸に大穴をあけられ
ぷつりと命を閉じた
それからはよくわからない

ひらひらとどこかを飛んでいた気もするが
最後はなめされて枕になったのだろう

本家の離れで寝た夜 枕がそんな話をした
むじなの毛皮で作られたという枕は変なにおいがして
とても寝苦しかった

本家の人に断って
ドラム缶で燃やした
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