からげんき / 背中/藤原絵理子
 

明るくふるまうのは
終わりを予感するから
‘おびえている’ なんて
いい気にさせたくないから

言いかけた言葉を
飲みこんだきみは
カモメを指さしてごまかす
中途半端なやさしさ

強がってる
こころの空虚が
素直なあたしの息の根をとめる

あたしが泣くのは
きみが背中を向けてからじゃなく
きみに背中を向けてから

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