そして最後に置かれた死のかたちは揺れるようにもがき続けるだろう/ホロウ・シカエルボク
 





狂騒が染み込んだ脳髄の記憶の配列は
鬱蒼とした森の中で覗く太陽に似て
俺は猛毒を含んだように忙しない
新しい何事かをこうして記そうとする度に
滑落した昨日が執拗に裁断されて塵になっていく
精神の構造の窓辺にはあまり明るいニュースが届くことはなく
背中に張り付いた憂鬱のせいで窓枠にもたれたまま
化石になる幻想に弄ばれながら時の淀みの中に居る
指先がかじかんでいるから死の在り方がよく見える
冬の生命は夜に死ぬんだとそれらは静かに教えてくれる
夏の生命が午前中に死ぬのと同じようなものだよと
いつか遠い昔種を破って顔を出した歪な詩情は
もっとも上手く途切れるとき
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