お茶漬け一杯!/ベンジャミン
お茶漬け一杯!と叫んだら
かわいいおねいちゃんが現れた
僕はお茶漬けを頼んだのに、と思って
悪いけど部屋の隅に座ってもらった
気を取り直して
お茶漬け一杯!と叫んだら
天井から札束が降ってきた
嬉しくなっていくらあるのか数えてみたら
一千万円もあったのでびっくりした
すっかりご機嫌になった僕は
調子に乗って叫んでみた
幸せいっぱい!
叫び声は虚しくこだまするだけだった
がっかりしていると
さっきのおねいちゃんがお茶漬けをつくってくれた
おねいちゃんは、お金はいりません、と言って
湯気と一緒に消えてしまった
お茶漬け一杯!
今度は何も現れなかったけど
僕はお茶漬けが嬉しくて満足だった
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