曖昧に耐えて/
吉岡ペペロ
売春宿から助けだされた女の子
お話ししようとしたけれど
おまえらどうせいつか帰るやろ、
黒い瞳はただ暗く
敵意や失意にみちていた
そうだ、その通りだ、いつか帰るよ、
暗い瞳の向こうには
死んでしまった何百人の仲間たち
生きていることの素晴らしさを
伝えるほどの経験はないけれど
作家が講演で言っていた
そうだ、そんな曖昧に耐えて生きてゆくんだ、
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