フランス組曲第一番/
藤原絵理子
目覚ましの音が鳴ったら
脊髄からの命令でボタンを押す
腕をフトンに引っ込めたら
脳が朝に在るあたしを認識する
薬は早期覚醒を抑える
暗闇でのしかかってくる壁は消えた
もう少しの辛抱 と励ますけれど
周りは何も変わってはいない
雨だれの音だったら
ショパンよりもずっと似合ってる
夢の中で考えていた
今日もまた快晴
降りもしない雨を恐れて
大きな傘を持って出かける
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