夜響/クナリ
 
あの日の夜に
泣きながら名前を呼んで あてもなく背中を探したのは
泣きながらすがりついてでも 伝えなければならなかったから
帰る場所がどこなのかも もう分からなかったものだから

月と同じ大きさの水銀灯の下
空と同じ大きさの影の中

一番かっこうを付けたい あなたの前で
いつだって一番 かっこう悪いのが不思議

自分よりも大事な人に出会えたなら
始まるのはきっと良いことだと思ってた

怯えながら 浮かれたり
張りつめながら ほころんで
胸の叫びは 決して届かないことを願い
喜びながら 打ちのめされて
追い詰められることで 救われて
すべての正しさが矛盾して

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