退廃するジニー/佐久間 肇
朝も昼も夜もないただの夕暮れ
イメージされるオシャレな風景は錆びたように冷たい都会の街で
そのクールさがどうしても一筆書きの想像の範疇を超えない
これは本当に全くの想像に過ぎなくて現実はこことは別のところにある
イメージの中で描ききっていた街に住むことでいよいよ自分自身も
虚構のストーリーが氾濫するページのない絵本の中の住人になれたね
これこそが真のわたしの人生のストーリーだとでも見紛う糞女の
糞をとったらただの女 しがない女
家で黙々とアイロンがけができない女が見る 冷たい感触のない夢
触れたような気になる曲線や直線は凹凸の凹みにハマって
小さな隙間に指を突っ込んでみて薄いプラスチックに噛まれて血が出る
ジニー夢見てよもっと 素敵に
ジニー移ろえない都会のような街に薄れて
ジニーもっとたくさん
たくさん嘘をつこう
ジニー
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