光の虫/床
夕焼けのピンクと朝焼けの黄色を
サンドイッチする
日常は素早く私をすり抜けてく
また置いてかれる
また残されてしまう
隙間みたいになって
いつも誰からも見えない場所で
きっと私は斜め上から
みんなの頭のてっぺんをながめるのだろう
月が雲に隠れる夜は
死んでしまいたくなる
簡単なことも
細かく刻んで丁寧に食べて
胃がおなかが
いたいけど
耳はあの音をいつも拾ってくる
いいやつすぎなの
耳にも瞼があればいいのに
目みたいに見たくないものを拒絶できるのに
それとも
あの声を聞くためにかな
ここにいる
あの中のひとりだったのなら
私
光の虫
ちょこんと
あしの小指に
キスをしたよ
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