空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
・・・」
  そうして終わり、皆、無言で帰っていった。また学校で会っても、挨拶を交わすほどの関係にしかならなかった。
  あの回は、本当に意味がなく致命的だった。   
  
  
  草刈さんも弁吉君も、そんなに自分を押し付けてくるタイプじゃない。心地よい距離感。三人のバランスが良く取れている気がする。
  
  小屋から出てくるどの人も帽子を基軸とした、しっかりとした民族衣装をまとっている。宗教的なものなのだろう。外部の人間が来たときに、威嚇する意味があるらしい。そういう意味では、チョンビーナはまだ侵略にあった歴史も無い。稚拙だと言えば稚拙だが、衣装で威嚇するなんて、鳥とか虫みた
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